ボーイング787は、『燃費効率の向上』と『乗客の快適性』を追求しています。
これは、最新の技術と新素材を多用することで実現されています。
主な特徴は以下の通りです。
1.技術的特徴
①複合材(カーボンファイバー)の多用
機体構造の約50%に炭素繊維複合材が使用されており、従来のアルミニウム合金製の機体と比べて大幅な軽量化を実現しています。
これにより、同クラスの従来の航空機と比べ、約20〜25%の燃費向上と二酸化炭素排出量の削減を実現しています。
②高い燃費効率と航続距離
先進的な空力設計(レークド・ウィングチップなど)と新型エンジンの採用(GE社のGEnxまたはロールス・ロイス社のTrent 1000)により、優れた燃費効率と長い航続距離を両立し、新たな長距離直行便の開設を可能にしました。
③電動化の推進(More Electric Aircraft)
従来の航空機では、エンジンから抽出していた圧縮空気によるシステム(空調、防氷など)を電動化することで、エンジンの負荷を軽減し、燃費効率をさらに高めています。
④静粛性
エンジン音や風切り音の低減に努め、機内外の騒音を抑制しています。
2.客室の快適性
①大きな窓と電子シェード
従来の航空機よりも約1.3倍大きい窓を採用し、開放感と広い視界を提供します。
窓には、ボタン操作で光の量を5段階で調整できる電子シェード(調光機能)が導入され、眩しさを防ぎながら外の景色を楽しむことができます。
②快適な客室環境
複合材の強度により、機内の与圧を従来機よりも高めることができ、客室高度を標高約1,800m相当(従来機は約2,400m相当)にまで低く設定しています。これにより、高山病の症状を和らげ、疲労を軽減します。
機内湿度が従来機よりも高く設定されており、長時間のフライトでも乾燥による不快感を和らげます。
③LED照明
フルカラーのLED照明が採用され、時間帯やシーンに応じて色合いを変化させることで、乗客の体内時計を整え、時差ボケの軽減に役立つムード照明を提供しています。
④スムーズな乗り心地
乱気流の影響を軽減するためのガスト抑制システム(Smoother Ride Technology)を備え、より安定した飛行を実現します。
⑤広い客室と大型の収納棚
客室幅と天井高が拡大され、より開放的な空間が提供されています。
オーバーヘッドビン(手荷物収納棚)も大きく、収納容量が向上しています。