フライトプラン(飛行計画、flight plan)とは、航空機が飛行を行うに際して、離陸から着陸までどのように飛行するかを記したもので、航空管制機関へ提出する公式な計画書です。
車に当てはめれば『カーナビのルート設定』のようなものですが、空の世界では安全と秩序を守るために詳細な情報の届出が義務付けられています。
1.なぜ提出する必要があるのか?
フライトプランを提出する目的は主に以下の3つです。
①航空交通管制(ATC)の管理
管制官は提出されたプランを見て、「いつ、どこを、どの機体が飛ぶか」を把握します。これにより、空の上での渋滞を避け、機体同士が衝突しないよう交通整理を行います。
②捜索救難(レスキュー)への備え
行方不明の場合(万が一、予定時刻を過ぎても機体が到着せず、連絡も取れない場合)、及び事故発生時の場合、フライトプランが捜索活動、救難活動の重要な手がかりになります。
「どのルートを飛んでいたはずか」が分かるため、迅速な救助活動へもつながります。
③安全の確保
燃料が足りているか、無理なルートではないかなど、飛行前の計画段階で安全性を再確認することができます。
2.フライトプランに記入する内容
フライトプランに記入する内容は、国際標準(ICAO様式)に基づいて決められています。
主な項目は次の通りです。
| 項目名(英語表記) | 内容・詳細 | 記入例 |
|---|---|---|
| 航空機識別記号 (Aircraft Identification) | 便名(コールサイン)や機体登録番号 | ANA123, JA123A |
| 飛行方式 (Flight Rules) | I (IFR/計器飛行)、V (VFR/有視界飛行) など | I, V, Z (VFRからIFRへ変更) |
| 飛行の種類 (Type of Flight) | S (定期便)、N (不定期便)、G (一般航空) など | S, G |
| 航空機の数 (Number) | 機数 | 5 |
| 航空機の型式 (Type of Aircraft) | 機体の機種コード | B787, A320 |
| 後方乱気流区分 (Wake Turbulence Category) | 後方乱気流の影響度(重さ) L (軽)、M (中)、H (重) | M |
| 使用する無線設備 (Equipment) | 通信・航法機器の種類やトランスポンダの性能 | S (標準装備), G (GNSS) |
| 出発飛行場 (Departure Aerodrome) | 出発する空港の4レターコード | RJTT (羽田), RJBB (関空) |
| 移動開始時刻 (Time) | 出発予定時刻(通常はUTC/世界標準時で記入) | 0530 (日本時間14:30) |
| 巡航速度 (Cruising Speed) | 飛行中の真対気速度(ノットなど) | N0450 (450ノット) |
| 巡航高度 (Level) | 希望する飛行高度 | F350 (35,000ft), VFR |
| 経路 (Route) | 通過するウェイポイントや航空路(ルート) | Direct, Y71 … |
| 目的飛行場 (Destination Aerodrome) | 着陸予定の空港コード | RJFF (福岡) |
| 所要時間 (Total EET) | 離陸から目的地到着までの合計時間 | 0130 (1時間30分) |
| 代替飛行場 (Altn Aerodrome) | 目的地に着陸できない場合の予備の空港 | RJGG (中部) |
| 燃料搭載量 (Endurance) | 飛行可能な最大時間(燃料が切れるまで) | 0430 (4時間30分) |
| 搭乗人数 (Persons on Board) | 乗員・乗客の合計人数 | 250, TBN (後で決定) |